国立大学法人東京大学・ソフトバンクなどによって設立した「Beyond AI 研究推進機構」の取り組みの一環として、東京大学の学生を対象に、次世代のAI人材として世界で活躍できることを目的としたデータハッカソンが2024年3月に行われました。

「AIを活用した未来のライフスタイルを考えよう！データハッカソン」は、国立大学法人東京大学が世界で活躍できるグローバル人材の育成のため、ビジネスの最前線を体感できるプログラム「東京大学グローバル・インターンシップ・プログラム」の枠組みを活用したもので、ソフトバンクが企画・運営を務め、東京大学と共同で行うもので、2023年に続き2回目の開催となります。

参加学生がAIの知識やビジネス企画、モック開発などデータハッカソンに必要なスキル・知識を身に着けられるよう、ソフトバンクのAI・DX人材育成サービス「Axross Recipe for Biz」の教材やワークショップを提供し、支援しました。

現場で活躍するエンジニアがAIの開発ノウハウや事例を教材化したサービス「Axross Recipe for Biz」で提供しているカリキュラムの受講、ビジネスの現場で活躍している方が講師を務める講義を実施。ChatGPTの基本知識からプロンプトの活用方法、モックアップを作る際に必要なプログラミング言語「Python」（パイソン）などを学びました。

「2030年のAIを活用した未来のライフスタイル」をテーマに、約1カ月間、「Axross Recipe for Biz」のプラットフォームを活用して、都市・医療・教育に関するDXとAIの技術を掛け合わせたアイデアを考えます。実践的なAI教育コンテンツとオープンデータを組み合わせ、そのアプローチ方法を企画、最後はプロトタイプを作成し、英語での最終発表を行いました。

上位入賞チーム・特別賞チームの内容👑

3月6日、東京大学 武田ホールで開催された閉会式。海外インターンシップが提供される上位3チームのほかに、データ賞、テクノロジー賞、ビジネス賞の3つの特別賞を受賞したチームの表彰が行われました。

各チームのアイデアと審査員のコメントを紹介します。

🥇1位：AquaMind - Blue Carbon Estimation Using AI -

安藤 陽光さん、松谷 航成さん、吉田 賢さん

カーボンクレジットは、今の時代に最適なテーマであり、その取り組みは社会に大きな価値をもたらすことでしょう。海藻によるCO2固定の研究は、季節変動を考慮した緻密な分析が求められる難題ですが、その解決に向けた提案は称賛に値します。このプロジェクトは、野心的な挑戦に真摯に取り組み、現場からのリアルな声や実データに基づいて高度な分析を実施し、デモンストレーションでその優位性を見事に示しています。技術的な優位性だけでなく、ビジネスモデルやマーケティング戦略においても、業界に新たな風を吹き込む可能性を秘めています。

🥈2位：SmileSavvy - Your Personal Dental Health Companion -

末松 万宙さん、杉井秀伍さん、浅野 笙さん

歯周病の問題に対して、歯の汚れを画像解析で調べる革新的な方法を取り入れています。ユーザーのモチベーションを喚起し、歯科医師や患者、さらには製薬会社にも役立つ素晴らしいコンセプトを持っています。さらに、無料で利用できる一般ユーザーに歯周病予防や状況のモニタリング機能を提供し、歯科医院とのマッチングによる課金システムは双方にメリットがあり、非常に魅力的です。新しいテクノロジーとビジネスモデルで歯のメンテナンスに対して非常に魅力的なアプローチをしており、市場機会を広げるためのさらなる工夫や差別化ポイントに期待します。

🥉3位：“STEP” - Home Cleaning Support App -

林 寛太さん、盧 捷さん、横溝 久幸さん

ADHDの人々の生活向上を目指し、片付けという具体的なアクションを取り入れている点や、医学的な有効性の検証に向けた前向きな姿勢を評価します。障碍を持つ人々だけでなく、一般ユーザーにも利便性を高めるユニバーサルデザインの考え方を採用している点が優れています。また、このアプリが掃除方法を求める人々と清掃会社との間の架け橋となり、ビジネスモデルの将来性もあります。専門家との協力で、さらなるサービスの向上が期待される素晴らしい取り組みです。

プレゼン大会の内容を一般公開🎉

3月4日に開催されたプレゼン大会では、全18組のチームが参加しました。

英語によるプレゼンテーションを行い、予選を通過した9組で本選を行いました。

審査にはBeyond AI 研究推進機構長の萩谷昌己教授と、インドからAIによる予測分析サービスを提供するFindability Sciences Inc. VPのMandar Kulkarni氏も参加し、「課題解決」「ビジネス＆サービス」「プレゼンテーション」「AIとデータ活用」「プロトタイプ開発」の総合点で評価を行いました。

東大生がAIで未来のライフスタイルを提案✨世界で通用する次世代のAI人材を発掘するためのデータハッカソンが行われました🌏