実社会のデータを活用し、未来のライフスタイルを創造

2022年に一躍注目を浴びた「ChatGPT」。生成AIがめざましく進化する一方で、膨大なデータを分析し、問題解決につなげる能力を持った次世代の人材育成が重要です。

国立大学法人東京大学（以下「東京大学」）やソフトバンクなどが最先端のAI研究機関を目指して設立した「Beyond AI 研究推進機構」の取り組みの一環として、東京大学の学生を対象としたデータハッカソンが2025年3月、東京大学の本郷キャンパスとソフトバンクの竹芝本社で開催されました。

過去最多の26チームが参加！予選と本選の熱戦

今年は過去最多となる26チームが参加し、3つのグループに分かれて予選を実施。各グループから選ばれた計9チームが本選に進出し、東京大学 大和ハウス石橋信夫記念ホールで最終プレゼンテーションを行いました。

審査は「課題解決」「ビジネス＆サービス」「プレゼンテーション」「AIとデータ活用」「プロトタイプ開発」の観点から総合的に評価され、熱い戦いが繰り広げられました。

最優秀賞に輝いた革新的アイデア

最優秀賞（1位）：WisHubチーム「Agri Assistant system to optimize farmland allocation」

鈴木 竣晴さん、廣川 拓飛さん、白井 翔さん

農地の集約化・集積化を進めたい地方自治体や農業委員会向けに、AIエージェントとのチャットを通して最適な農地再編成目標地図を自動作成・可視化するサービスを提案。複雑な土地データをAIが処理し、最適な区画分けと再編成による作業効率改善を可視化します。プロトタイプで実用性を実証済みで、地方自治体や農林水産省との連携を目指します。

最優秀賞（2位）：Spinachチーム「AI fraud firewall - Preventing fraud from phones

櫻井 仁哉さん、菊池 陽登さん、加藤 玄暉さん

高齢者を狙った詐欺電話被害を未然に防ぐ、AIを活用したリアルタイム詐欺通話解析システム。初期工事不要で全てのスマートフォンや固定電話に対応し、AIが電話をスクリーニングして安全な通話のみをユーザーに転送します。BtoBとBtoCの両市場で展開し、将来的にはBtoGも視野に入れたサブスクリプションモデルを提案しています。

優秀賞（3位）：DeepMICチーム「TherapysToy - Protect Children from

西川 格史さん、井澤 慶広さん、阿部 慧人さん

子供の精神疾患予防と早期発見を目的とした、ぬいぐるみとの対話を通じたメンタルヘルスケアサービス。親や医師がWebアプリで子供の状態をモニタリングでき、蓄積されたデータは医療機関での治療にも活用できます。

優秀賞（4位）：KiTatsuチーム「GuardianRobo+ Face-Tracking Camera Eye - An Autonomous Interactive Security Solution」

山﨑 七輝さん、杉崎 隼斗さん、島田 遼太郎さん

自律移動型の監視ロボットとクラウドAIによる接客・警備ソリューション。24時間自動巡回し、不審な人物や行動を検知すると通報・声掛けを行います。小売店の万引き防止や一般家庭の防犯対策に効果的です。

優秀賞（5位）：読書会Aチーム「ジジトル (Snap news)」

原田 寛大さん、赤澤 奏伍さん、長谷川 景星さん

小学生の子どもを持つ親向けに、身の回りのものをカメラで撮影するとAIが関連するニュースや豆知識を表示するアプリ。遊びを通して社会問題やニュースに触れ、楽しみながら学習できる新しい教育形態を提案しています。

優秀賞（6位）：Huge Jumping Zombieチーム「Generative AI-Based Audio-Visual Smartphone Teacher for Older Adults」

金 杜さん、胡 佳儀さん、張 鋭さん

高齢者向けのスマートフォン操作支援アプリ。AI搭載アプリが対話形式で操作を説明し、画面に視覚的なナビゲーションを表示します。24時間対応、視覚的ナビゲーション、AIによる柔軟なサポートが特徴です。

ビジネス賞：iWannaチーム「i-Wanna - Transforming Raw Comments into Strategic Gold Powered by Generative AI」

謝 雲舒さん、高 駿菲さん、LIU Dengさん

日本市場に特化した感情分析AIツール。日本語の曖昧な表現や文脈を理解し、ユーザーの深層心理を可視化することで、企業のコンテンツ戦略をサポートします。日本型の感情次元軸を構築し、企業のマーケティング戦略を「忖度型」から「定量型」へと進化させます。

テクノロジー賞：HiKaRiチーム「AI & Satellite - The Future of Agriculture」

岡田 知也さん、波羅 哲さん、生田 真大さん

スマート農業支援アプリ「Agristar」を開発。衛星データとAIを活用し、農家が手軽に作物の生育状況を把握し、最適な施肥計画を立てることができるプラットフォームを提供します。

データ賞：テクネコンチーム「DemoSapiens」

佐藤 諒平さん、野口 航汰さん、加納 孝祐さん

（表彰式欠席のため写真なし）

予測市場を活用し、大規模組織における意思決定の質とスピードを向上させるWebアプリケーション。従業員がアイデアを株式のように売買できるプラットフォームを提供し、集合知を活用した意思決定を支援します。

最優秀賞受賞チームには、8月〜9月にシリコンバレーへの海外インターンシップ参加権が授与されます。現地では、ソフトバンク・ビジョン・ファンドとの交流や現地学生との交流、IT関連イベントへの参加などが予定されています。

また、優秀賞受賞チームには、地域イノベーション創出拠点「せとうち Tech LAB」（広島県福山市）、国内オープンイノベーション拠点「STATION Ai」（愛知県 名古屋市）への視察参加権が授与されます。

データハッカソンで利用した「Axross Recipe for Biz」は、AIを活用した最新の技術や事例を学び、現場での実践力を身に着けるための環境としてソフトバンクが提供しています。

東大生がAIを活用した未来のライフスタイルを提案！💡2025年3月データハッカソン開催レポート